ジャパンバスケットボールコーチング

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黒人の身体能力は本当に優れているのか?

 

今、NBAの黒人比率は7割~8割と言われています。

 

また、陸上競技の100M走でも決勝戦は全員黒人であったり、

黒人というと「身体能力が高い」というイメージがありますよね。

 

しかし、結論から言うと、

この理論に対してはっきりとした科学的な実証データはないそうです。

 

遺伝学的にも運動学的にも

こじつけみたいな理論はいくつもありますが、

本当に科学的に証明されたと言える証拠(データ)は

まだ見つかっていないとのこと。

 

つまり、実際は

 

私たちが単にそういうイメージを持っているだけ

 

というのが最終的な結論だという説があります。

 

そのことを教えてくれているのがこの本です。

 

人種とスポーツ - 黒人は本当に「速く」「強い」のか (中公新書)

人種とスポーツ - 黒人は本当に「速く」「強い」のか (中公新書)

 

 

この本を参考にして、

いくつか黒人優位説の疑問点・矛盾点を指摘していきたいと思います。

 

国、地方、人種について

 

そもそも「黒人」というのは

どこの国のどの地方のどういう人を指す言葉かご存じでしょうか?

 

多くの人は「肌の黒い人」という何となくの認識で

この事について語っています。

 

そうすると、オーストラリアの原住民族アボリジニーも、

赤道付近のアジアの国々の人も肌は黒いですが、

彼らのことを身体能力に優れた人たちと考えることはありませんね。

 

この時点で実は「黒人」という言葉自体が

曖昧な表現であることが分かります。

 

なお学問的に言うと、

私たちが普段使ういわゆる「黒人」という言葉で指す人たちは

ニグロイド(ネグロイド)」というアフリカをルーツに持つ人達のことを

言うそうですが、

そこからヨーロッパやアジアに場所を移した人たちが

コーカソイド」「モンゴロイド」という人種に分かれていったとされています。

 

ということは、もちろん日本人にも「ニグロイド」の血は混じっています。

また、分岐してからまたアフリカに戻っていった人たちもいます。

 

この経緯から今は人種分けをすること自体がおかしくて、

人間はみんな「ホモ・サピエンス」の一種と捉えていいという考えが主流のようです。

 

また、国や地方の問題で言うと、

長距離に優れた人が多い国は「ケニア」です。

一方、短距離に優れた国は「ジャマイカ」です。

 

ケニアはアフリカ、

ジャマイカは中央アメリカカリブ海にある島国で全然場所が違います。

 

さらに、ケニアの長距離選手は「ナンディ地方」という特定地域に集中しており、

ケニア全域から選手が出てきているわけではありません。

 

(ナンディ地方は高原地帯であることや、

「牛泥棒」という特殊な風習からマラソンランナーになるのに

 非常に適した環境であるそうです。)

 

同じアフリカでも世界レベルのアスリートを輩出していない国はたくさんあります。

 

この時点で

 

黒人=身体能力に優れている

 

と考えるのはおかしいのです。

 

もし本当に黒人の身体能力が優れているのであれば、

アフリカ全土から優秀な選手が出てきて良いはずですから。

 

また、長距離と短距離に求められる体型も全然違いますから、

彼らを同一種の人たちと括るのは暴論だと言えますね。

 

では、現状をどう説明するか?

 

しかし、実際にNBA陸上競技では

黒人比率が圧倒的に多いのがこの問題の厄介なところです。

 

科学的にはそうと言えなくても、

現状がそれを証明していると言われると、たしかにその通りです。


その理由は以下の二つのことで説明できると書いてありました。


まず、「メンタル」です。


実はスポーツをしている黒人自身が

私たちは優れた身体能力を持っている人種である

と考えているそうです。


これはメンタルトレーニングの理論でもありますが、

「自分はできる」「自分は最高」

と常々考えている人のほうが

スポーツのパフォーマンスは良くなります。

 

つまり、黒人の選手はこのようなポジティブなメンタルワークを

常に行っている状態にあるのです。

 

(逆に、日本人や白人は「黒人には敵わない」という

 ネガティブなメンタルワークを常にしているとも言えます。)

 

世間的にも「黒人は身体能力が高い」と考えられており、

そのように評価されることも多いため

やはり「自分は優れた存在だ」と思うことが多いのでしょう。

 

(スポーツが上手く出来ない黒人は

 このことでからかわれることもあるそうです。)

 

これはスポーツパフォーマンスを発揮する上で

黒人にとって有利な状況と言えます。

 

 

もう一つは、文化・風習の問題です。

短距離走が速い国は「ジャマイカ」ですが、

ジャマイカは国家的に短距離走を推進しているそうです。

 

これは日本で言うと「野球」に当たります。

 

甲子園のような国民的大会がジャマイカには短距離走であるそうなんですね。

 

日本はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で

世界一になったり、MLBメジャーリーグ・ベースボール)で

沢山の人が活躍していたりと、野球の強豪国です。

 

国民的スポーツであれば待遇や報酬が良いので、

それだけ優秀な人が集まりやすくなります。

 

また、環境も整っており、士気も高いでしょう。

 

アメリカやその他の国籍のスプリンターも

元はジャマイカ出身である人も少なくないそうです。

 

そういう国の選手と日本の陸上選手を比べるということは

日本のプロ野球選手チームとジャマイカの野球チームが戦うのと同じです。

 

結果は一目瞭然でしょう。

 

要は、「その国がどのスポーツに力を注いでいるか?

という文化の問題であって人種の問題ではないということです。

(先にあげた、ケニアのナンディ地方の話もしかりです。)


あとは、これは持論ですが、

「黒」という色が威圧感を与え、筋肉も引き締まって見えるので

「強そうに見える」というインパクトもあると思います。

 

結局は私たちが黒人に対して抱いているイメージが

「黒人=身体能力が高い」と結論づけているのではないかと思います。


この記事を読んで

「そうはいっても、日本人は黒人に敵わないよ…」

と言う批判をする人もいるでしょうが、

少なくともそう考えているうちは

日本人がバスケや陸上の世界でトップを取ることはないでしょう。


あなたが「できる」と思おうと「できない」と思おうとどちらも正しい。
Whether you believe you can do a thing or not, you are right.

byヘンリー・フォード

 

この言葉にあるように、

実際はそう思っているから、そういう現実を引き寄せているだけ

と考えることが出来ます。


私たちでも出来る
彼らも同じ人間で大したことはない

そう思うことから、日本人の本当の挑戦は始まるのだと思います。

 

ブログでは、私の理解できる範囲で分かりやすく書きましたが、

本では黒人とスポーツの歴史からもっと詳細に書かれています。

 

人種とスポーツ - 黒人は本当に「速く」「強い」のか (中公新書)

人種とスポーツ - 黒人は本当に「速く」「強い」のか (中公新書)